(一社)新宿NPOネットワーク協議会

明日に向かう避難所計画 V2-20220120

1.プロジェクトの目的

 首都圏における大規模地震発生が必至とされている今日、災害を最小限に抑え込むための準備や努力が進められている。
 災害時に地域生活の拠点となる避難所の運営や生活に関する事前計画についても、先例を参考に、マニュアルづくりや備蓄計画などが進行しているが、いざ災害が発生した中での避難所生活の質についてはあまり話題にはならない。
 本プロジェクトでは、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本震災などにおける避難所の不都合や避難所生活の過酷さについての知見を参考に、災害の悲観的な状況を乗り越え、復興への足掛かりや元気を避難者等に提供し、一日でも早く災害苦境からの離脱を図るため、あえて、“元気の出る”“明るい”“美味しい”避難所づくりを提唱して心身ともに新しい地域生活の再建のための基盤づくりの一助となることを目的に、企画、実施する。

2.プロジェクトスローガン

 当プロジェクトは、次の合言葉、スローガンにより地域の人々の共感を得て進行、共助を実現する。

 ①被災者への追悼の気持ちを素直に表現しよう
 ②避難所を地域の復興拠点と位置付けよう
 ③全員参加型運営をすすめよう
 ④困難に負けない、元気が出る避難生活を実現しよう
 ⑤子ども、高齢者、大人、バリアーキャリアーなど、すべての人が楽しい、笑顔の溢れる快適な避難所生活を創造しよう
 ⑥なによりも、美味しい防災食を食べよう
 ⑦元気が出たら、積極的に、災害以前を上回る。よりよい復興プランを作り実現しよう
 ⑧地域の多才な英知を活用し、迅速な復興を成し遂げよう

3.プロジェクトプログラム

(1)楽しい食事、みんなでつくり楽しむ“美味しい防災食”づくり

 従来の避難所での食の概念を一新し、苦境を乗り終え、復興のための活力を養うための、おいしい防災食を作り出す。併せて、開発レシピを考慮した食材備蓄計画を行っておく。

 ①美味しい防災食レシピ開発
 ②美味しい防災スイーツレシピ開発
 ③食事制限、体調、宗教的制約などに配慮した特別レシピ開発

(2)心身ともに疲れが溜まらない滞在空間、居住空間づくり

 ①プライバシー空間確保のためのレイアウト、パーティション計画
 ②避難所用寝具開発

(3)こころの健康、ウエルビーイングを念頭に置いた、遊び、余暇、交流プログラム

 ①子供の遊びプログラム
  ・おもちゃの備蓄
  ・あそび計画
 ②傾聴、ハンドマッサージ、フェイシャルセラピー等のセラピー系プログラム
 ③参加型音楽プログラム
 ④参加型アートプログラム
 ⑤参加型住宅再建ワーク
 ⑥ペットセラピー
 ⑦教育環境の維持

(4)明日に向かう学び、協働による助け合い

 ①復興への学び
 ②助け合いによる復興
 ③公的支援メニューの取り込み

(5)避難所生活基盤整備

 ①充電設備
 ②照明設備
 ③情報設備

(6)全員参加の運営プログラム

 ①立ち上げ
 ②受け入れ
 ③運営
 ④物資
 ⑤情報収集.共有.発信
 ⑥リスク管理
 ⑦渉外、連絡、連携

4.注意点

(1)属性別配慮

 ①安全安心の確保
 ②防犯・防災
 ③ジェンダーへの配慮
 ④子供、未成年者への配慮
 ⑤高齢者への配慮
 ⑥障がい者への配慮
 ⑦外国籍人への配慮
 ⑧疾病者への配慮

(2)ジャンル別配慮

 ①情報共有・伝達:掲示、表示、言葉、視聴覚バリアフリー
 ②安全・安心・防犯:性暴力、言動、見回り、警備、警察・消防との連携
 ③不平等・不正の排除:平等のための秩序・運営
 ④心身の健康:PTSD対応、健康維持管理、医療機関との連携
 ⑤復旧・復興支援:公的支援手続き、民間の支援、住まい、就業、教育、福祉
 ⑥地域の復旧・復興:在宅避難者との連携、地域企業との連携、NPO等との連携
 ⑦備蓄の見直し:元気獲得のためのプラスαの備蓄
 ⑧臨機応変の運営:プログラムの見直し、運営の見直し
 ⑩日課プログラム:黙祷、体操、健康チェック、食事、共同作業、復興学習、就寝